こんにちは。
THE CLINICの今西理也です。
本日は、
黒クマ
についてお話ししようと思います。
クマには、
①黒クマ 眼窩脂肪が突出した結果生じる影
②茶クマ 皮膚の炎症による色素沈着
③青クマ 皮膚が薄く、眼輪筋が透けて見えている状態
の3種類があります。
今回はその中でも黒クマにフォーカスを当てます。
黒クマの治療には、
①ハムラ法、裏ハムラ法
②経結膜脱脂
③脂肪注入
があり、それぞれの術式は、下記のようになります。
①ハムラ法
※S T Hamra The zygorbicular dissection in composite rhytidectomy: an ideal midface plane Plast Reconstr Surg. 1998;102(5):1646–57. より転載
・下眼瞼の皮膚を切開。
・眼輪筋(orbicularis oculi muscle)と眼窩隔膜(septum orbitale)の間を剥離。
・眼窩隔膜を上顎骨付近で切開し、突出している眼窩脂肪(orbital fat)を尾側に移動し、眼窩脂肪を平らにならす。その結果、眼窩脂肪の突出が改善するため、黒クマがよくなる。
①裏ハムラ法
※Goldberg RA. Transconjunctival orbital fat repositioning: transposition of orbital fat pedicles into a subperiosteal pocket. Plast Reconstr Surg. 2000;105(2):734–48. より転載
・ハムラ法と同じ操作を、皮膚を切開してではなく、結膜を切開して行う。
(この図は裏ハムラ法の原法から転載していますが、原法は眼輪筋と眼窩隔膜の間を剥離した後眼窩隔膜を切開するのではなく、結膜から直接眼窩隔膜内に入っています。)
②経結膜脱脂
・結膜を切開し、突出している部分の眼窩脂肪を切除する。
③脂肪注入
・突出している眼窩脂肪の高さに合わせて、突出している部分の周囲に脂肪を移植する。
それぞれの術式のメリットデメリットは、
のようになります。
これらのメリットデメリットを考慮して、それぞれの手術を単独、または組み合わせて施術を行います。
ただここでひとつ重要なことがあります!
黒クマが目立つ多くのケースでは、眼窩脂肪が突出しているだけではなく、その尾側部分のボリュームが少なくなっていることが多い
ということです。
以前の記事(顔の加齢性変化)でお伝えした通り、この部分は、加齢によりボリュームが減少します。
ということは、この部分のボリュームを補ってあげることで、若々しい印象になることができます。
つまり黒クマの治療は、
突出している眼窩脂肪を単純に平らにするのではなく、黒クマができている部分とその周囲の形態的特徴を把握し、若々しい印象にする
ことが重要と言えます。
そのような観点から、私は黒クマの治療に最も重要なことは、
中顔面の形態的評価を正確にした上で、それぞれの術式の適応を見極める
ことだと考えています
話ばかりでは飽きてしまうと思うので、実際の症例をお見せ致します。
写真のゲスト様は、目の下のクマの改善をご希望されいらっしゃいました。
上が術前、下が術後1ヶ月半の状態です。
脂肪注入のみで治療しています。
黒クマはもちろん改善されていますが、若々しくなられたと思いませんか?
この方は、眼窩脂肪が突出しているため、一見経結膜脱脂の適応に見えます。
しかし、頬骨が前に突出しているので、眼窩脂肪が突出している部分も、頬骨と比べると陥凹しています。
そこで、突出している頬骨から滑らかな形態となるように黒クマの部分も含めて脂肪注入をすることで、
①黒クマの改善
②中顔面のボリュームアップによるアンチエイジング効果
を狙いました。
裏ハムラも選択肢の一つに挙がりますが、眼窩脂肪移動では、この方の中顔面のボリューム不足を十分には補えないと判断しました。
黒クマでお悩みの方は、ぜひご相談ください!
クリニックでお待ちしております。