こんにちは。
THE CLINICの今西です。
本日は
乳房のアクアフィリング除去
に関してご紹介致します。
アクアフィリングは柔らかな仕上がりと効果の持続性で一時期もてはやされましたが、現在は日本をはじめとした各国で、
「アクアフィリングによる豊胸を推奨しない」
方針が示されています。
しこり、慢性炎症、皮膚潰瘍などの合併症が報告されているからです。
それに加えて注入した部位から移動し、組織内に浸潤することさえあります。
このような背景から不安を感じて、しこりなどのトラブルが起きていなくてもアクアフィリングの除去を希望する人が増えています。
アクアフィリングは当初、「生理食塩水で簡単に溶解できる」とされていましたが、実際は溶解できることは少なく、除去には適切な診断・方法が不可欠です。
診断において重要なポイントは、アクアフィリングの広がり方、現在の性状を正確に見極めることです。
そのため、診断にはエコーが必須となります。触診だけの曖昧な見当で診断することはできません。
手術の流れは、
①アクアフィリングがある程度塊として存在している部分に脂肪吸引用のカニューレを留置する
②そのカニューレを利用して、生理食塩水またはチュメセント液を散布する
③注入した生理食塩水の中に浮いてきたアクアフィリングを、生理食塩水ごと吸引する
のようになります。
実際には一回で綺麗に回収することはほぼ不可能なので、②③を粘り強く繰り返すことになります。
それでは実際の症例をご紹介します。
手術前の状態
もともとは乳腺下だけに注入されていたアクアフィリングが、皮下にも移動しています。(矢印部分)
手術中のエコー所見
黒く見えている部分がアクアフィリングが塊として注入されている部位です。
周囲の組織にも少し浸潤しています。
手術中エコーを使用しながら、アクアフィリングをしっかり吸引除去していきます。
生理食塩水とともに回収されたアクアフィリング
手術後の状態
皮下に移動していたアクアフィリングがしっかり除去されています。
術前、術後の比較
綺麗な乳房形態に戻っています。
アクアフィリングでお悩みの方はぜひ一度お越し下さい。
クリニックでお待ちしております。